今日は、韓国の結婚文化や、韓国の結婚式についてご紹介します。
韓国ドラマや映画、ニュースなどで見る韓国の結婚式の場面。
日本とあまり変わらないように見えますが、実際どうなのでしょうか。
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- ・韓国で結婚式を挙げるのに必要な費用は?
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- ・ゲストは何人くらい呼ぶの?
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- ・結婚式はどこで挙げるの?
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- ・ご祝儀はいくら?
- ・韓国の結婚式って派手なイメージだけど、実際どうなの?
などなど、様々な疑問に答えます!
韓国の結婚式の種類
韓国では結婚式場のことを、イェシㇰチャン(禮(礼)式場)といい、ハングルでは「예식장」と書きます。
もちろん結婚式場という漢字をそのまま使って「결혼식장(キョロンシㇰチャン)」ともいいます。
昔から一般的によく結婚式を挙げる場所から、最近話題の結婚式のスタイルまで、韓国の結婚式の種類を紹介します。
1.結婚式場(一般礼式)
一般礼式ともいわれる結婚式場での結婚式は、韓国で最も一般的な結婚式です。
式場にゲストを招いての式を挙げるのですが、結婚式場は結婚式を挙げる専門的な場所なので、結婚式に必要な基本的な準備が全てされているので新郎新婦は結婚式場側に準備をほぼ全て任せられるというメリットがあります。
挙式だけ行うという最もシンプルな結婚式で、式自体は30分~1時間と、短時間で終わるので、一つの結婚式場で一日に何組も結婚式を挙げる場合が多いです。
2.チャペルウェディング
プロテスタント教徒やカトリック教徒など、クリスチャンが多い韓国では教会で結婚式を挙げるカップルも非常に多いです。
プロテスタント教会、カトリック教会によって雰囲気も違い、本当の教会ではなく教会「風」の結婚式場も豊富です。
特に韓国ではクリスチャン同士のお付き合いや、結婚が多いです。
なので人気の教会は毎週土曜日(毎週日曜日は礼拝があるため)は結婚式を挙げる準備で忙しいのだそう。
3.ホテルウェディング
ホテルウェディングは名前の通り、ホテルで結婚式を行うことです。ブライダルプロデュースも行っているホテルは駅から近いところが多く、都心からアクセスのよいホテルが多いです。
一般的な結婚式場を利用するよりやや値が張りますが、雰囲気やサービスがよくて「せっかくなら…」とホテルウェディングを選ぶカップルが多いです。
また、ホテルの施設を使えるプランがあり、結婚式を挙げたホテルで宿泊もでき、最寄り駅までシャトルバスで送迎などもしてくれるので、他の地域からゲストを呼ぶ場合はおすすめですね。
4.スモールウェディング(ハウスウェディング)
スモールウェディングは、韓国で最も話題の結婚式のタイプの1つです。
貸別荘やレストランなどを貸し切りで使うのでハウスウェディングともいわれます。
親戚や親しい知人だけ招待して、パーティー会場のような空間でリラックスした雰囲気の結婚式を挙げることができます。
貸別荘というと、都心と離れて遠くまで行かなきゃいけないの?と思ってしまうかも知れませんが、
ソウルの清潭洞(チョンダムドン)や論峴洞(ノンヒョンドン)などには貸別荘風の高級住宅のような結婚式専用の庭付きハウスが集まっているので
都会の中心でオシャレなガーデンウェディングができます。
ですが、結婚式場やホテルの式場と違って最大200~250人まで入ることができるので、ゲストをいっぱい呼びたい!という方にはちょっと難しいかもしれません。
韓国では結婚式に呼ぶゲストの数が日本に比べて桁違い。
なぜかというと、極端な話、新郎新婦が呼んでないゲストも参加できるからです。
招待状を200~500枚印刷し、会社の人や友人、遠い親戚、小学生や中学生の頃の同級生までたくさんの人に配ります。
当日は特に席は決まっていません。
日本では最低2ヶ月前に結婚式の招待状をもらい、出席するかどうか、食べ物のアレルギーはないかなどチェックして送り返すじゃないですか。その招待状の返信の仕方にもマナーがありますよね。
でも韓国はそういうやり取りがなく、招待状をもらった人は行くか行かないかメールで答えるだけです。なんなら答えずに結婚式当日に行くか行かないか決めちゃったりもします。
さらに、招待状をもらっていない人でも、ちょっとでもつながりがあれば、周りの招待状をもらった人についていくのも可能です。(もちろん新郎新婦にも言わずに行く場合も)
最近はモバイル招待状が流行っており、LINEやカカオトーク、メールで招待状を送信できるサービスが人気です。
モバイル招待状だと、結婚式場の案内だけでなく、新郎新婦のフォトブックも同時に送ることができて写真好きな韓国の人たちにとって人気なのだそうです。
韓国はお洒落でユニークなフォトスタジオも豊富ですからね。
5.シアターウェディング
構成は一般的な結婚式の流れとあまり変わりませんが、結婚式場に大きなスクリーンが設置されており、生い立ちムービーやお祝いメッセージの映像などを流したり、またはまるで映画のようなオリジナル映像を作ってゲストのみんなと鑑賞ができます。
韓国では結婚式で生い立ちムービーを見る習慣がありません。
なので生い立ちムービーを大きなスクリーンで見れるというのが特徴で話題なんですね。
映像の制作や演出などが好きな人に人気です。
6.伝統婚礼
最後は、伝統婚礼(伝統的な結婚式)です。
現代の結婚式も手順が多くて準備しなければならないことがたくさんありますが、伝統婚礼は現代の結婚式よりも手順も多く、準備にも手がかかるので、本格的な伝統婚礼はだんだん少なくなってきています。
近頃はほとんど見ることのない伝統婚礼ですが、伝統婚礼専門のブライダルプロデュース会社もありますし、伝統的な雰囲気の中で結婚式を挙げたいという方の中では伝統婚礼を挙げるカップルもいます。
韓国で結婚にかかる費用はどれくらい?豪華だけど日本より安い?
次は韓国の結婚費用について調べてみました。
結婚費用は、結婚をするために、または結婚生活を維持するために必要な貨幣的、非貨幣的コストのことをいいます。
すなわち、結婚に関わる経済的な費用と、その他の負荷のことです。
たとえば、新婚旅行の費用、配偶者の親族(両親、兄弟、親戚など)へのプレゼントや結納品の費用、結婚生活に必要な費用、その他諸費用などの貨幣的コストと、結婚生活を円満に維持するための努力、時間と精神的ストレス、結婚することによって諦めなければならない自由などの機会費用、すなわち非貨幣的費用が含まれます。
最近の調査結果によると、新郎側は平均5,915万ウォン、新婦側は2,748万ウォンを結婚費用に使うといわれていることがわかりました。
合計8,663万ウォンという莫大なお金が一度の結婚のために消費されているということです。もちろん、ホテルウェディングか、スモールウェディングか、披露パーティーを行うかどうかもによって少しの差は生じます。
日本で挙式と披露宴、披露パーティー(二次会)などを行う費用と結婚指輪などの費用を合わせて平均400万円前後と言われているので、日本での結婚式よりお金がかかるんですね。
それでは、気になるご祝儀はいくらくらいなのでしょう。
韓国のご祝儀はいくら?日本とこんなに違う!
韓国では、新郎新婦から招待状をもらっていなくても、つながりがある人は結婚式に参加してもOKな雰囲気です。
そのため、同じ会社の人や取引先の人が結婚すると、同じ部署や仕事上あまり関わらない人でも、お祝いしなければならないときがたまにあります。
わざわざ結婚式に行かないとしても、ご祝儀は払わないといけないのです。
結婚式にも行かないしそんなに仲がいい訳でもないのにご祝儀を払わなきゃいけないの!?とびっくりするかも知れません。
日本では一度ご祝儀を払うのに社会人であれば最低3万円ほど払いますからね。日本での感覚だと、あり得ないと思いますよね。
実は韓国のご祝儀の平均金額は、日本に比べてかなり低いのです。
地域や時代にもよると思いますが、ここ数年は大体これくらいという金額が決まっていて、例えば同じ会社の誰かが結婚した場合、役職によってご祝儀の平均金額が異なります。
一般社員 30,000ウォン
主任、代理(デリ) 50,000ウォン
課長 70,000ウォン
理事 100,000ウォン
代表 200,000ウォン以上~
韓国の企業、会社では代理(대리)という役職があります。誰かの代理という意味ではなく、入社後数年経つと与えられる役職で、実質的な権限があるわけではないのだそう。
主任でも約5,000円なので、結構安いですよね。
ご祝儀はグループごとにまとめて渡すこともよくあります。
茶封筒や白い封筒(ご祝儀用の封筒は特に決まっていません)にご祝儀を集めて入れて、封筒の裏にご祝儀を出した人の名前を併記して渡します。
例えば、一般社員が一人当たり30,000ウォン出すとしたら、10人いれば30万ウォンなので、そんなに少ないと感じないのですかね?
また会社関係ではなく、友達や知り合いが結婚する場合は、大体こんな感じです。
基本 50,000ウォン
ホテルウェディング 70,000ウォン
親友 100,000ウォン
ホテルでの結婚式は一般的な結婚式場より結婚式を挙げるのにお金がかかりますし、料理も高級なのでご祝儀が少し高くなります。
社会人だと、ご祝儀とは別途で友人何人かで冷蔵庫や洗濯機を結婚祝いに買ってあげる人も多いですね。
「でも5千円~1万円で結婚式のあの高級なコース料理が食べられるのは良いな~」と思うかも知れませんが、韓国の結婚式ではまずコース料理はなかなかありません。
結婚式で出てくる料理は大体出張バイキングやカルビタン(鍋)定食がほとんど。まあご祝儀の金額が低いので、そうなりますね。
日本と比べて…というよりも、そりゃあ外国なので、本来そういう文化だと考えてください。
逆に日本がご祝儀高すぎ!と思う方もいるかもしれませんね。
韓国の結婚文化の実態
多くの人にとって結婚は、人生のターニングポイント、転換点となる大イベントです。
ほとんどの人は人生で一度きりの結婚式をできるだけ盛大に挙げたいと思ったり、ゲストへの配慮が行き届いた結婚式を挙げたいと思って出費を惜しまずに式を挙げます。
韓国の場合、毎年約40万件の結婚式が行われています。
韓国全国で発生する結婚費用は、マイホームを建てる費用を除いて婚需(ホンス)といわれる結婚に必要な品物や費用をはじめ、結婚式の披露宴、挙式費用で約12兆2千億ウォンに達しています。
韓国の結婚費用は、経済的に豊かでなかった1960年代にもGNP(国民総生産)の約3.4%に達しており、冠婚葬祭費はGNPの5%に達しました。
当時、国連のレポートにおいても、これらの結婚費用は国家競争力において多くの問題点となっていると問題視されるほどでした。
また、IMF経済危機という事態があった後も、豪華で誇示的な結婚慣行はなくなりませんでした。
なので、最近は韓国の結婚文化を見直そうという声も高まっています。
結婚式は豪華で派手であるべきという意識のための、過剰な結婚費用や結婚用品の費用など…韓国の結婚文化に関して、結婚文化の弊害的な面を指摘する声は少なくありません。
韓国のとある新聞記事では、韓国の若い世代のカップルが韓国の結婚文化についてどう思っているかよく表れています。
20・30代の未婚男女10人のうち8人は「小さな結婚式」を行いたいと思っているが、実際に小さな結婚式をした人は5%に過ぎないことが分かった。それほど理想と現実の差が大きいことになる。
8月31日、韓国消費者院が全国の20・30代の男女2000人(未婚1000人、既婚1000人)を対象にアンケート調査した結果、未婚の男女79.6%が小さい結婚をしたいと答えたが、既婚者のうち小さい結婚をした人は5.4%にとどまった。
結婚式の規模と関連して、未婚者10人のうち9人は、結婚式に家族や親しい知人のみ招待したいと答えたが、既婚者のうち、家族や親しい知人のみ招待した人は56.4%であった。
適切なゲストの人数について、未婚者は100人以下(45.3%)を挙げる人の数が最も多かったが、既婚者のうち、招待したゲストの人数が100人以下だった人は7.4%であった。 200〜300人を招待した人が29.6%で最も多く、400人以上招待したという人も19.4%いた。
全回答者のうち、ほとんど(94.6%)は、韓国の結婚文化に問題があると指摘した。特に過度な婚需(ホンス)・贈り物・結納品(最も深刻なレベルを5点とした場合、4.6点)、他人の視線を過度に意識している結婚式(4.4点)を問題視した。
(chosun.comより)
シンプルで小規模の結婚式のことを、最近韓国では「小さな結婚式」(작은 결혼식)というのです。
この記事に書かれているように、20~30代の若い世代の人はシンプルであまりお金がかからない結婚式を挙げたいと思っている人が大半です。
しかし、周りの期待や両親の希望のために「一度きりだから…」と盛大に挙げることになってしまうのですね。
結婚前は、小さな結婚式が良いと思っていても、いざ結婚の準備をしながら周囲の人々から話を聞くことで、「みんなお金をかけて派手に結婚式を挙げるのに、質素な結婚式なんか挙げたくない」と思ってくる場合もあるかも知れませんね。
まとめ
ホテルウェディング、スモールウェディング、シアターウェディング、伝統婚礼など、さまざまな韓国の結婚式の種類を紹介しました。
結婚は人生で最も幸せで、最も祝福されるべきイベントです。
韓国の結婚文化は、現代の若い世代のカップルには見直されるべきという声もあるので、慣習やマナーとされていることなどは、これからも少しずつ変化していくと思います。
結婚式にはなるべくお金をかけず、前撮りやフォトウェディングにこだわるカップルも増えています。
結婚を予定しているカップルや、友達同士の記念撮影において最近話題のオシャレでユニークなフォトスタジオは他のページで紹介しているので、ぜひ見てみてください♪